


当院では乳癌手術は原則として、日帰りで行います。
患者さんの希望があれば、乳頭の浸潤がない限り、腫瘍の大きさや皮膚浸潤の有無を 問わず温存手術を行います。ただし、乳房全体を占めるような巨大な乳癌や、乳房の皮膚全体に広がるような炎症性乳癌のような場合は、温存は不可能です。
2011年12月末までに1088例の原発性乳癌の手術を施行していますが、全体の温存率は82%、最近の10年間では90-94%です。また、温存手術例の最大腫瘍径は11cmです。
腋窩リンパ節郭清は、従来は術前に画像診断などでリンパ節に転移がないと診断された場合は、レベル-I 郭清を行ない、リンパ節転移が疑われた場合は、その程度に応じてレベル-IからⅢまでの郭清を行ってきました。センチネルリンパ節生検導入後は、術中病理診断により転移陽性の場合は追加郭清を、陰性の場合は郭清を省略してきましたが、2010年度よりOSNAシステムによるセンチネルリンパ節の遺伝子解析を導入し、迅速かつ精度の高い術中転移診断を行っております。
術後1年以上経過している2010年12月末までの原発手術症例は1011例で、その5・10年生存率は、全体で95.4%・88.1%で、pTNM stage別では、0期 100%・100%; I期 100%・100%; IIA期 98.0%・93.3%; IIB期 98.6%・89.7%; IIIA期 91.7%・83.4%; IIIB期 93.8%・93.8%; IIIC期 77.7%・47.5%; IV期 49.3%・−%、でした。(表1)
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乳房温存手術の治療成績を乳房切除術の治療成績と比較して、表2にまとめました。温存手術は最近の患者さんが多いため、術後の治療も新しい薬剤を使用しています。このため単純に比較することはできませんが、どのStageでも温存手術例の方が生存率は良好です。
したがって、腫瘍径の大きなStage III や遠隔転移のあるStage IVであっても、
術後の治療をきちんと 行うことで、
温存手術でも乳房切断より良好な結果が得られることがわかります。
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